第6回こまちカフェ(ヨーロッパの交通まちづくり視察報告)

4月29日、祝日の18時からという時間にもかかわらず、
20名の方に参加いただき、畑中様よりドイツなどにおける
交通事情について、約3000枚の写真を駆け足で紹介いだきました。
おかげさまで2時間足らずでヨーロッパを旅した気分に(笑)
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最後には簡潔に視察における考察として、
・鉄道の商品である「ダイヤ」が非常にしっかりしている
・分かりやすいパターンダイヤ(7.5分間隔で統一的に運用
・ラッシュ時間帯を除き「座れる」ことがポイント
・ゾーン制運賃で乗り換えても再度料金は不要
・目的や方面で、近いところに乗り場を設置 など、
畑中様ならではの鋭い洞察力で交通事情を分析していただきました。
また、たまたま早起きして出会したフライブルク中心部におけるトラム同士乗継の様子を
ビデオに撮影するなど、その行動力には「参りました!!」

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自転車でヨーロッパを旅して感じたこと

チェコの田舎道

ちょうど10年前の夏、私はヨーロッパを旅してきました。イスタンブール(トルコ)を起点に、ロンドンを目指して、主に中欧方面を3ヶ月半かけて廻ってきました。

途中イタリアまで流れてきたところで自転車を買い、以降はペダルを漕いで旅を続けました。自転車であてのない旅をするのが最大の目的だったのでした。自転車を手に入れたとき、既に半月ほどが経っていたので、ほぼ3ヶ月ほどの自転車旅行になります。

自転車を持って出なかったのは、単独で海外へ出るなど初めてのことだったので、そもそも旅行が続けられるのか全く自信がなかったためです。尻尾を巻いて帰国するかもしれないのに、揚々と輪行袋を担いでうちを出る気になどなれなかったのでした。まあ、おっかなびっくりと旅は続いて、パドヴァという北イタリアの町で念願の自転車購入を果たしました。

以降サドルに跨って道を辿ることになるわけですが、同時にはっきりと感じた大きな変化が一つありました。それは、道行く人の視線を男女の別なく感じることでした。

観光国のイタリアはそれでなくとも外国人は珍しくないし、観光とは無関係の土地でも、欧州諸国はどこも大勢の移民を抱えているので、旅行者だからというだけで注目されることはありません。また、本人はバックパッカーのつもりでも、自転車を購入するまでは、ザックではなく手提げ鞄だったので、現地の住民には、東洋系の移民とか不法就労者の類に見えていたかもしれません。

さてその視線というのは、賞賛と羨みの混じったようなものでしょうか。「その調子だ、きみ」「そういうのいいじゃない」と、聞いたわけではありませんが、まるで話しかけてくるかのようでした。こうした感情をイタリア人というのは、とても素直に現します。大げさに言えば、人生を楽しんでいることへの率直な肯定のまなざしです。日本では考えられないリアクションで、特にイタリアで顕著だったのかもしれないですが、多かれ少なかれ行く先々で感じた印象であります。

これはイタリアに限ったことですが、路上で出会ったサイクリストは(ほぼ全てロードタイプ)必ず声を掛け合います。例外はありません。ある日スプリンクラーの回る葡萄畑の中の道で手をクロスさせたシーンなど、出来すぎのような場面を今でも思い出します。

またとある田舎の駅前で自転車を停めて、休憩を兼ねて地図を覗いていたとき、後ろから声を掛けられました。振り向くと婦人警官で、反射的に「sorry」と言って立ち退こうとしたのですが、警官はなおも話を続けるのでした。ニコニコしながら「bici」(自転車)と言うのが聞き取れたので、注意や警告でないことを察して、日本からきて自転車で旅を始めたばかりだということなどを、通じたのかどうか英語で話しました。これも日本ではなかなか考えられない場面でしょう。

さて、先ほど3ヶ月の旅行と書きましたが、この間、クルマからクラクションをどのくらい鳴らされたと思われるでしょうか? ひょっとすると、マナーのよい欧州のことだから、まったくと言って無かったなどと思われるでしょうか。

実際は、「数え切れないほど」鳴らされたのでした。けれどもそのどれもは、擦れ違う際に前から鳴らされたもので、後ろから鳴らされたのは1度あったきりで、その後は皆無でした。つまり、道行く人たちが視線を送ってくれたように、ドライバーたちも、そうしてエールを送ってくれていたのです。

一方で、あちらでは高速道が無料のせいもあってか、自転車侵入禁止の区域にいつの間にか紛れ込んでしまうことが何度かあったのですが、たちまちパッシングライトを浴びます。

こうして、様々なレベルでサインが交わされる欧州の路上は、日本よりも格段にコミュニカティブな空間なのでしょう。信号待ちをしているクルマには、フリーペーパーを配る人がドアガラスをノックして廻っていたり、また、良し悪しは別として、イタリアでは信号など完全に無視して道路を渡るのがごく普通の光景です。これはクルマとの呼吸が合っているからできるもので、俄かに真似のできるものではありませんが、その意味では歩行者と運転手のコミュニケーションの産物と言えるでしょうか(クルマが都市部では十分に速度を落としていることも大きな前提でしょう)。

話を自転車に戻すと、ヨーロッパにおける自転車というのは、基本的にはレジャーやスポーツの一つなのでしょう。私達のように、交通まちづくりに関わっていると、自転車の積極活用を実践している先進地域として、欧州を眺めることが多いのではないかと思います。それは確実に輪を拡げているのですが、欧州人にとって自転車というのは、まず第一には余暇を愉しむツールであって、楽しんでなんぼのものなのだということを、いま振り返ってみても思うのです。

自転車を交通手段の一つとして積極的に取り入れる動きというのも、そうしたレジャーを基盤にした自転車受容の上に積み重なっているのだろうと思います。これに対して、日本人の自転車観は、著しく実用性に偏っているように思います。

こうしてヨーロッパの様子を話すと、「他所は他所」「余裕のある欧米と一緒にされてもしょうがない」と片付けられそうなのですが、交通まちづくりに関わる私たちは、こうした背景の違いをもっと知っておいてもいいのではないか、という気が私にはするのであります。(kog_hito)

交差点の自転車走行空間

ドイツで見かけた光景です。
交差点に破線と自転車標示で自転車が走行できる部分を示してあります。
これは車道の端を走っていると自然と交差点もこの位置を通ることになります。
自転車にとってはスムースに走ることが出来ます。またクルマや歩行者からも
自転車が走る場所を認識できて安全性が高まると思います。
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この「自転車標示」についておもしろい動画を見つけましたので紹介します。
いたずら?かもしれませんが、
一夜のうちに街中、自転車レーンが出来ていたらビックリしますね。

ドイツの自転車走行空間

「自転車はどこを走ればよいのでしょう?」と尋ねたときに、
「そりゃ、車両だから車道だよ!」と答える人は、どれくらいの割合でいるでしょうか。
さらに「車両だからクルマと同じ左側通行だよ」と答える人はもっと少ないでしょう。
「自動車交通量が多い道路などで、自転車歩行車道の標識がある所では、歩行者に注意しながら、
走ることも出来る」というのを「自転車は歩道を走るもの」と勘違いしている方が多いのではないでしょうか。

今回は、ドイツ(フライブルグ、ミュンスター、デュッセルドルフ、カールスルーエ)で見かけた、
自転車が車道を走ることが出来るための工夫を紹介します。
車道の路肩部分にある大きな「自転車」マークです。「ここを自転車が走るのだよ」とアピールしています。
さらに右下の写真は、車走行車線-自転車車線-駐車帯-歩道となっています。
歩道側ではないのですね。
「早く動くためのレーン」と「止まっているあるいはゆっくり動くためのレーン」が分かれています。
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さて、交差点ではどうでしょうか。
カラー舗装で分かりやすくしてあったり、右左折を誘導する停止位置の路面標示もあります。
また、自転車専用の信号によりクルマの右左折と交錯する心配もありません。
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また、停止線はクルマより前にあるため、自転車専用信号でまず自転車が出発して、
しばらくしてからクルマが発進します。
これにより右左折のクルマと衝突したり巻き込まれたりすることを防いでいます。
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クルマの前に自転車が勢揃い。(左下写真)
日本だと通勤時の原チャリ(原動機付自転車)がこのような感じでしょうか。
また、右下写真のように、交差点では、歩道の自転車通行帯を走っていた自転車がクルマの前に来ます。
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横断歩道でも工夫があります。(左下写真)
歩行者の待つ後ろに自転車通行帯があります。
また、右下写真にある駐車場の出入口など、クルマと交錯する所では交差点と同じように
カラー舗装で「ここを自転車が走りますよ」とアピールしています。
とにかく自転車が走行できる空間を連続させています。(確かに日本ではクルマが走る車道は
連続していても、自転車が走る空間や歩道はブツ切れですよね)
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車道の自転車レーンから歩道の自転車通行帯へもスムーズです。
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市街地では、クルマの進入を規制して、自転車が道路の中央を走っています。
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ただし、歩行者を優先するところでは、自転車は道路の端を走ります。(左下写真)
何を優先するのか、そのためには何を規制するのか、というメリハリがついていま。
これは、どのような街なのか、という明確なビジョンの現れでもあると思います。
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歩道(自転車歩行車道)においては、歩行者は建物側を歩き、自転車は車道側を走るように
標識で示されています。
また、右下写真のように、直進や右折などの方向を示す路面標示による誘導も工夫されています。
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左下写真は小さくて分かりにくいですが、手信号を出して右折する女の子です。
また、右下写真は、一方通行を逆走するための自転車レーンです。
これはクルマと同じ方向を走る自転車は車道を走れば良いわけですが、
逆方向に行く自転車のために専用レーンが設けられています。
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いや~、様々な工夫、ルールを守る意識、街の明確なビジョンなど、
本当に勉強になりました。

自転車の街ミュンスター(3)

ミュンスターの自転車事情の最後です。

ミュンスターに限らずドイツで見かけ感心したのは、自転車の停止線が車の前方にあることです。
つまり、自転車が車の前方に並び、先に発進することで、車による巻き込み事故などの対策になります。
また、日本のように車の横の狭い空間(路肩部分)で待つこともありません。
さらに赤信号で待つあいだ車からの排気ガスに悩まされることもないでしょう。
(なんて理にかなっているのでしょう)
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交差点では、左写真のように自転車通行帯が明示されています。
また自転車による左折(日本では右折)溜まり(待ちスペース)がきちんと確保されています。
の写真は、一方通行を自転車が逆走する場合、自転車は設置されている専用レーンを走行しているものです。
逆走のための自転車専用レーンが設置されていること、またルールを厳守していることに感心しました。
(日本では自転車規則を守らないことが平常化しており、「決めたことは守る国民性」と
「見つからなければ守らなくて良いと思う国民性」の違いに愕然としました。
ひょっとして日本の常識は世界の非常識・・・・かもしれません)
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子供は、親や地域から自転車の規則を知らず知らずのうちに学んでいると思われます。
写真左のようなタンデム車(二人乗り自転車)を良く見かけます。
ドイツでは、学校での道交法の教育や団体(ADFC:全ドイツ自転車クラブやADAC:全ドイツ自動車協会)
も定期的に自転車の乗り方などを指導しているとのことである。
の写真は、ドイツにおける自転車構造を物語っている。
停止しているときは、お尻はサドルから降ろし両足を着いているのである。
つまり、お尻にサドルを乗せた状態(自転車を運転している時)は、足は地面に届かない
(あるいはつま先が届く程度)ということである。
これは、足をほぼ伸ばした状態(無駄なく力がペダルに伝わる)で自転車をこぐ、
つまりスピードが出しやすいということである。
また、テールランプの大きさも特徴的である。なにしろデカイ!!
夜間における背後からの車のライトに反射するように大きくしていると思いますが、
ここにも「自分の身は自分で守る」という意識の違いを感じました。
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視察したドイツの自転車交通で感じたことは、
1)交通法規の遵守
2)交通手段としての自転車
3)自動車や自転車を利用出来ない人の移動手段の確保
4)自動車類は車道、歩行者類は歩道の徹底した空間配分
5)身についている交通弱者保護
6)これらを可能にしている街づくり(ゾーニングや沿道開発規制)
など、日本では「言われてはいるが実行できていない」部分が、
ドイツでは確実に実行されていることだと感じました。
プロフィール

たかつき交通まちづくり研究会

Author:たかつき交通まちづくり研究会
たかつきこまちのブログです。自動車に出来るだけ依存しないまちを目指し、
・高槻交通まちづくり条例の提案
・公共交通利用の推進
・自転車利用の推進
・歩いて暮らせるまちづくり推進
・駅前地区の交通状況改善に関する提案
を行います。
連絡先:takatsukikotsu@gmail.com

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