自転車レーン事例(幡ヶ谷:水道道路)

9月21日(火)、22日(水)行われた「第30回交通工学研究発表会」の翌日、
少し足を伸ばして「自転車走行環境整備」の先進事例の一つである
渋谷区幡ヶ谷(京王線幡ヶ谷駅)の「水道道路」に整備された自転車レーンを
見てきましたので、簡単に紹介します。

朝から一時的な豪雨となるあいにくの天候でしたが、小雨の間に写真を撮りました。
昼間(11時頃)ですが、ライトを点けている車もありました。
自転車は傘を差しながら運転している方が多かったです。
(大阪の「さすべえ~」は見かけなかったですね)
20100923hatagaya03.jpg

幅1.5mの自転車レーン(ブルーレーン)と歩道(自転車歩行者道)も「自転車通行可」
になっていますね。
これは、「速い自転車は自転車レーン、遅い自転車は自転車歩行者道を走行しなさい」
ということだと思います。
写真右はバス停です。自転車レーンは途切れず連続しています。
バスが停車していたら、バスの後ろで待つか、前後の安全を確認してバスを
追い抜いていくのでしょうね。(バスの後ろで排気ガスまみれで待つのは嫌ですね。。。。)
20100923hatagaya01.jpg 20100923hatagaya02.jpg

交差点では自転車レーンは途切れています。自転車は車と同じように信号が赤の場合、
停止線で止まりましょう。(赤で突っ切る自転車を何台も見かけたが・・・・・)
自転車歩行者道のため、横断歩道手前には「自転車止まれ」のマークがあります。
20100923hatagaya04.jpg 20100923hatagaya07.jpg

自転車レーン設置区間の始まりです。標識により明示されています。
また自転車レーンは「ブルーレーン」のカラー舗装と「自転車専用」という路面標示で
利用者に分かるように示されています。
但し、「自転車専用」レーンですから、車と同じ左側通行になります。
自転車歩行者道内は、双方向可能なので、出来れば自転車レーンには「矢印」の
標示があった方が良いかもしれません。
20100923hatagaya05.jpg 20100923hatagaya06.jpg


交差点手前における、自転車レーンから歩道への導入部の様子です。
大きな交差点においては、車の右折車線等が付加されるため、
自転車の走行空間が無くなることが多く、その処理は悩ましいところです。
この場合、自転車レーンから自転車歩行者道へ誘導しています。
幅は約1.8m(ブロック3個分)で、車道とブロックの段差は0cmです。
但し、ブロックには勾配が付いており(車道と歩道の段差5cm分)、滑り止めが付いています。
またポストコーンが1.8mの開口部前後に設置されています。
なお、車道と歩道の段差全体のすり付けは、植樹幅(約1m)内で行われており、
歩道部分の平坦性は確保されています。
20100923hatagaya08.jpg 20100923hatagaya09.jpg
20100923hatagaya10.jpg 20100923hatagaya11.jpg
この自転車レーンから歩道への誘導ですが、個人的には、自転車レーンを20km/hで
走行してきた自転車がこの1.8mの開口部から歩道に無理なく入るとは思えません。
私であれば、車両として自転車はあくまで、そのまま交差点に進入していく
(車の左折に留意しながら)と思います。
その方が歩道を歩く歩行者にとっても安心ですし、車のドライバーにしても常に
自転車を認識しているため、巻き込み等の危険性も少ないと思います。

写真のような誘導だと、歩行者と自転車が突然混在することになり、
歩行者にとっては恐怖を感じるでしょう。
また、車のドライバーから見ても、自転車レーンを走行していた自転車が一瞬歩道に消え、
その自転車が突然、自転車横断帯で再び現れるということになり、巻き込みの危険性は
増すのではないかと思うのですがいかがなものでしょうか。
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No title

いつも詳しいレポートありがとうございます。

東京渋谷区の「水道道路」は、自転車通行環境整備のモデル地区として数年前に
指定された全国98ヶ所の地区のひとつ。

この事業でとられたおおよそ3パターンの整備手法のうち、このように路肩部を
着色する形式がいちばん実際的な手法ではないかと思います。

けれども、ここで指摘されているように、交差点の手前で歩道にあげられるのは
本当に残念。そのまま交差点に入ってゆくのが最もスムーズで、かつ本来的なあ
り方ですね。

逆に言えばこの辺にこのモデル事業の限界なり施行側の思惑がのぞいているので
しょう。施行サイドは路肩部を何より自転車を歩行者から分離させる空スペース
として見出したのであって、それ以上ではなかったのだろうか。

自転車の事故の増加を盛んに訴えながら、そのうちかなりの部分が交差点での歩
道からの飛び出しにあると見られるのに、当局は減速と一旦停止を呼びかけるば
かり。

ただ、仮に現時点で自転車の完全な一般車両並扱いが実施されたとして、どれだ
けの自転車ユーザーが怖ろしがらずに交差点に出て来てくれるか。また、雨のせ
いか走行者が写っていないので判然としないけれども、車道で傘さし運転などは
ほとんど自殺行為。

自転車を車道に移すことは、走行者に「車両」としての振る舞いを求めることで
もある。現状として、自転車のユーザーにそれをキャッチする素地は極めて弱い
けれども、施策側にそういった意識は少しでもあったのだろうか。

そういった課題がつきつめられないまま、たかつきこまちさんが現場で了解なさっ
たように、早い自転車とそうでない自転車との棲み分けだけが進んでいくような
気も(これらの「モデル」の水平展開がそれなりに進んでゆくとして)しないでも
ない。

それでも、今回のモデル地区事業では、単なる歩道の区分けでお茶をにごした地
区も多々あるなかで、こういった事例を生んだだけでも前進とみるべきなのか。
識者による事業の評価が着手されたとも聞きましたが、引き続き考えたいところ
です。



追記
同じ事業で整備された尼崎市内の路線では、歩道へあがる箇所にコーンなどは
設置されず、世田谷のケースよりはスムーズなようです。進行方向を示す矢印
もペイントされています。

あと注文としては、バスベイ(停留のための凹み)のある事例も見たいところで
すがいかがでしょうか。

元に戻すには同じだけの月日が必要かも

kog_hitoさん、コメントありがとうございます。

この水道道路のように路肩部分を着色する形式が、自転車は「そう車両なのだ」と実感できる気がします。但し、交差点付近の処理はいただけないですが・・・・・・・。

日本は約30数年前に自転車も場所によっては歩道を走ることが出来る、としたことがそもそも間違いだった気がします。もしそれを元に戻して欧州みたいに自転車が車両として認識されるためには、同じ時間(約30年)かかるかもしれませんね。
欧州で感じたことは、買い物や車を運転しない高齢者などはLRTやバス等の公共交通機関で気軽に移動できます。また商業エリア、住居エリアなどゾーニングがきっちり出来ているため、車が入ってこない旧市街地でゆっくり買い物することが出来ます。そこには市場があり買いだめする必要もなく、「気軽に毎日買い物に出かける」ことが出来ます。
こうなると、日本のように土日に車で郊外のショッピングセンターへ買いだめするという習慣が無くなります。またLRTのようなスニーカー感覚で気軽に乗車出来る移動手段が家の近くに留まってくれれば、車に依存することはないでしょう。
さらに職場と住居が近いと、それこそ普段の移動手段としては自転車が最適になると思われます。
そこまで来れば、自然と自転車走行環境は欧州のようになるのではないでしょうか。
車に出来るだけ依存しないまちづくりの先にようやく自転車レーンや自転車道など、欧州のような自転車走行環境が整った街になるのではないでしょうか。
(やっぱり30年かかりますね)

たびたびお邪魔します

つい場所をわきまえず、自転車乗りの論理に入り込んでしまいます。

30年。いいのではないでしょうか。
ひとつ行程表など作ってみられてはいかがでしょう。

おっしゃられるとおり、自転車を歩道へあげたのは「そもそもの間違い」だった
のだとしても、それが受け入れられたがゆえに今の光景があるのでしょう。
日本の自転車を考える際の厄介さがここにあるのですが、今は立ち入らないこと
にします。

ともあれ「自転車先進」といわれる地域と、高槻道夫氏らが積極的に評価なさる
地域が地理的にもよく重なるように、自転車乗りとは多くの点でビジョンを共有
できます。

そんなわけで私などもこうしてちょっかいを出させていただいている次第です。
プロフィール

たかつき交通まちづくり研究会

Author:たかつき交通まちづくり研究会
たかつきこまちのブログです。自動車に出来るだけ依存しないまちを目指し、
・高槻交通まちづくり条例の提案
・公共交通利用の推進
・自転車利用の推進
・歩いて暮らせるまちづくり推進
・駅前地区の交通状況改善に関する提案
を行います。
連絡先:takatsukikotsu@gmail.com

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